〜3/10

ちょっと更新の間があいた。書きたいことたくさんあった気がするけどあんまり思い出せないので記憶を振り絞って箇条書きします。あとブログの名前を変えてみた。この地図は孤の地図。

 

・今日は近所の写真屋に就活用の写真を撮りに行った。老夫婦が営んでいて、プロフェッショナルに出たことあるような有名なところらしい。私の前が春に中学生になる子どもで、おばあさんが場を和ませながらおじいさんが写真を撮るその音とか声を聞くだけでなんか泣きそうでずっと深呼吸してた。自分の番はサクッと終わって、就活頑張ってねと励ましてくれてそれはもうまっすぐに響いて胸が締めつけられた。

 

・「No War 0305」のカネコアヤノの演奏をYouTubeで観た。「爛漫」「抱擁」「明け方」の三つをやったというツイートを見かけただけでこみあげるものがあってしばらく聞けずにいたけど、やっぱりすごかった。抱擁、こんなに心の奥まで染み渡るのは初めてだった。変わらないままそこにあるのに、世の中の状況とか自分の心次第で響きかたを変える、歌ってあまりに饒舌すぎると思って怖くなった。

 

・不安になるような報道をテレビで目にするとき、説明できないけど、なぜか、本「ショートショートの広場1」の「海」を思い出す。初めて読んだときは多分小学生だったからモヤっとした違和感がただあったけど、時間が経って読み返すほどに凄まじさを感じる。一生忘れない話。海の他にも「読むな」「花火」も大好き。「花火」は実写化するならキャストは空気階段以外ありえないな。配役は言わずもがな。

 

星野源「宴会 鳳凰編」普段やらない曲のオンパレードでありがたかった。「エピソード」「そしたら」「Nothing」あたりやばかった。「ミスユー」をいつかライブで聴いてみたいってもう何年も思い続けている、これは叶ったら嬉しいし叶わなくてもドキドキが持続するから大丈夫って類の夢。あと前々回のANN(3/2)で「忘れられない放送」の話をしていて、私にとってのそれは三つあって、「渋谷すばるのスバラジ 2018/6/30」「空気階段の踊り場『駆け抜けてもぐら』2019/4/5」「星野源ANN 『寺坂直毅スペシャル』 2018/5/23」なのだという話だけでいつかこのブログで一つ記事書きたい。三つ目の寺ちゃんSPは未だに聞くたび新鮮に救われる、お守りみたいな回だ。

 

・「奇奇怪怪明解事典」の良さにやっと気づいて作業中ずっと流してる。これは!となる瞬間たくさんあるけど最近聴いていた中では"俳優(とか)の「〜せていただいてます」って言い方なんなの?"っていう話はもうめちゃくちゃわかると思った。自分が普段考えていることについて、自分で言葉にするんじゃなくて、他人に今一度言葉にしてもらうことでやっと浮かばれる感覚ってあるな。だからやっぱり人との対話がたいせつ。

玉置さんといえばMIZのこの写真が良すぎる。見た瞬間心奪われた。

 
 
 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

A post shared by MIZ (@miziraz)

www.instagram.com

 

最近は奇奇怪怪明解事典とけみおの耳そうじクラブとoverthesunを流すことが多く、専らPodcast。CMがないと聴きやすくてついそうなってしまう。けみおのPodcastはリニューアルして、ゲスト回の合間に一人喋りの回が挟まれるようになったのがかなり嬉しい。個人的に、昔からラジオで喋り倒して欲しいとは思ってたけど、AMのラジオ局のスタジオで話すけみおは想像つかなくて、TBSでもニッポン放送でもないな...とか妄想していたことがあったから、Podcastなんてぴったりの媒体だ。

 

・相変わらず自己嫌悪的な感覚はあるけど、最近はくよくよするたびに「でも!それは!私の存在を否定する理由にはならない!」って心の中で叫ぶ、そこまでがセット。なんか小さい人間が手を後ろに組んでのけぞって叫んでる姿を想像してもらえれば。だって本当にそうじゃない?できないことは山のようにあるけど、自覚して、治そうとしてみたりそれでもなお克服できなかったり全力で諦めたりやっぱり諦められなかったりもうその状態が健気でかわいすぎ。泣ける。あたしはあんたのそういうとこちゃんと知ってるよ。

そもそも人生の中でこの時期なんかは悩むに決まっていて、私以外の同世代の人間もみんな悩んでいる。悩むこと自体は別になんら特技でもないし誇ることでもないって思い知らされるのはショックも多少あるけどもはや清々しいことだ。「独り占めしてたはずの不眠症が私だけのものじゃなくて落胆した(欅坂46「角を曲がる」)」の段階を超えて、昼夜逆転がいきすぎて朝型になるみたいな地点にいるのが今の私。

 

・私を生かすもののなかで、ひときわ大きな割合を占めているのは「言葉」なのだという自覚がこのブログを始めてからより一層強くなっている。その他の細やかなものも、川が海につながるように、巡り巡って「言葉」に帰結する。そういう話がもっとしたいから「言葉」がテーマの制作がしてみたい。どんな風にかはなかなか想像がつかないけれど。ただ考えている。

 

言葉がなかったら

言葉がなかったら

  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

〜2/28

 

「ミロ展 日本を夢みて」

Bunkamuraミュージアムで始まった展示。ミロと日本との関わりにガッツリ焦点をあてられていておもしろかった。体感だけどここの展示は作品に対してキャプションがけっこう細かく入っている気がして、いいなと思う。瀧口修造ととても仲良しだったんだというのが伝わりまくってきてかわいかった。あと埴輪にインスピレーション受けてるのとかも説得力があった。

小さい頃「小学館アートブック」というのを美術館の帰りに買ってくれて、ミロ、クレー、モディリアーニシャガール、スーラがお気に入りだった。

f:id:you__me__hoo:20220227190004j:image

母と行ってきたのだけど、親ってまじで同じ話を何回もしてきませんか。毎年この時期になると駅から家までの道にあるでかい豪邸の梅の木が咲き、夜になるとライトアップされる。そこを通るとき「あそこわざわざライトアップされるんだよ!」と知ってた?のテンションで言われる。何回目だよとうすら怖くなりつつ毎年言ってるじゃんとは別に言わずに「おー」とかと返す。

 

漫画「タコピーの原罪」

全く展開が読めなくてすごい。ツイッターを見ているとこのコントを思い出します。

youtu.be

オークラ「自意識とコメディの日々」

まだ半分くらいしか読んでないけど楽しい。あとやけに誤植が多くて気になる。そういえばRADWINPSの新曲(映画の主題歌)のタイトルが「うるうびと」らしい。小林賢太郎およびポツネンにおいて「うるうびと」って特別な作品だと思うから、もちろんダメなことじゃないけどなんかむず痒い。ラッドの音楽はジャニーズの曲ばかり聴いてきたなかでアイドルとはまた違う詞の良さに衝撃を受けて、小中学生時代には大いに救われた。「ラストバージン」のMVも初めて好きだと思った映像かもしれない。久々に見たらやっぱり素晴らしくて、自分の原点だなと思った。

youtu.be

ちょくちょく炎上する野田洋次郎の言動とか今回のこととか最近はなんだかなと思うことが増えたけど。どちらも自分の気持ちだ。小林賢太郎演劇作品「うるう」が見たくなった。カテコでマジルと手をつなぐときの表情には見るたびまんまと感情をかき乱されます。

 

しくじり先生 野田軍団オーディション!令和のごっつええ感じを創る」

若林が「夢みてるみたい」って言ってたけどその通りすぎる。すごいメンツでしっかりとめちゃくちゃおもしろかった。

 

もう最近は夜型というかもはや朝型で、4時くらいまでだらだら作業して6時に寝るみたいな生活。眠れない時はいろんな人のはてなブログを読み漁る。16歳のときにドラマ「カルテット」に出会い、ヒコさんのブログ「青春ゾンビ」にたどり着いていなかったら、今好きなものや自分の考えかたは全く違っていただろうし、きっと今いる友人たちにも出会えていなかった。何事においてもそうかもしれないけど、この分岐点は特に自分の中にありありと佇んでいる。

ロシアが戦争をはじめた。どんな理由があっても絶対にあってはならないことが起きている。考えることが多すぎてもう本当に訳がわからないけど、とにかく止まりたくないなと思ってはいる、思考も歩みも。

2/13〜2/20

映画「ハッピーアワー」

五時間とちょっと。下北の映画館で二回の休憩を挟みながらの観賞。なんていうか、とても言い表せない。そもそも登場人物の中に”誰かに感想を抱かせるために存在している人”がいないようだった。物語のなかであるはずなのに。だんだんと映画ってなんだったっけ?演技ってなんだったっけ?って、かき乱されていった。だから言い表せない。強烈な体験になったことだけは確か。20年後とかにまた観たいな。

 

空気階段の踊り場

なんとなく丸々一ヶ月分くらい聞いてなくて、まとめて聞いたらやっぱりおもしろすぎてすごかった。もぐらほどおたより読むのうまいパーソナリティーいないと思う。「キモいやつ見ました」の、脅してきたヤンキーと片思いの子が付き合うことになってしまった学生に声出して笑った。切ない。最新の回(2/14)で吉田拓郎全部だきしめて」がサイコゥソングになってて、前回のエントリーで書いていたからこんな偶然あるんだ!ってちょっと嬉しくなった。岡野さんのCM元気でる。岡野さんといえば、このツイートが好きでなんか大切にしている。

 

 

 

荻上チキ・Session 2/18

星野源ゲスト回。聞いたことある話が多かったけれど、「今自分が思っていることや口に出したことは自分の本心なのかを疑っていくといい」っていうのを改めて聞けてよかった。三年前に、インスタライブで変なフィルターでふざけながらも真面目に話していたのをすごく覚えている。「ディスタンクシオン」の話を聞いていて、このブログの形式(はじめに固有名詞を並べる)をちょっと変えたくなったりした。まあでも振り返りやすいからいいかな。

自分にとって、このブログを書くことは地図をえがく作業だ。わたしの星には「好き」が転々とたたずんでいて、ふとしたときにその間に道ができる。道はどんどん枝分かれを続けて行き止まったり繋がったりしながら、広がっていく。住人はわたしの他にいないから、果てのない土壌をどこまでもわたしの暮らしやすいように、豊かにしていく。そんな感じ。

 

配信「劇場版まーごめドキュメンタリー まーごめ180キロ」

「まーごめ」ってなんかTwitterでよく見るなーママタルトのギャグなのかなーくらいの認識でいたのだけど、ヒコさんのブログ読んで気になりすぎて観た。もちろん詳しかったらもっと楽しく観られるんだろうなとは思ったもののドキュメンタリーとして濃厚すぎた。大鶴肥満と父親の会話はほんとに凄まじい。あの言葉のやりとりはどんな脚本家にも作家にも絶対に書けない。

きゅうりで一度死ぬ→両手にアイスクリームの映像が天才。なんかご利益ありそうだと思ってスクショしました。貼っていいらしいから貼る。

f:id:you__me__hoo:20220220185312j:image

 

最近は就活とか家の片付けをしていて、こうして将来のことを考えていると、わたしはまだしばらく死なないんだなーと思う。「死にてー」の感情(どれほど深刻かは文章にしたところで伝わるものでもないだろうしわたしにもわからない)は意識のあるときは常にあるけどわたしの場合それを持っていることで何かから許されようとしているのかもなと思うことが多くて、でもなかなか死ねそうにないのであればこの、「今」をよくしていくほかないのだな、みんなそんな感じで生きてたのかーなどと気付き始めた。だからいろいろ、やらなきゃと思ってやらずにいたことをひとつずつやる。

カネコアヤノがCMソングをやるらしくて、聴いたらもうすでに好きだった。嬉しいし楽しみ。カネコアヤノの新譜はいつ何時でも待ち遠しい。

あと本当にどうでもいい話、このブログは星乃珈琲でちょっとトイレを我慢しながら書いているのだけど、「関西コント保安協会」の「喫茶店で彼女をグッッッてやる客」のネタはたぶんぜったい喫茶店でネタ書いてて思いついたネタなんだろうなと思った。知らないけど。本当にどうでもいい話でした。

(だいたい)2/9〜2/12

最近追加した曲を追加した順に。

 

PUNPEE 「お嫁においで2015 feat.PUNPEE

聴いてたけど、急にすごいいいなと思って入れた。芸能人同士の馴れ初め的なエピソードで好きなのはPUNPEE秋元才加の「君みたいな0か100かの人ばかりではない」と、バカリズム夢眠ねむの「おおきな梨を食べました」、星野源新垣結衣の「新垣結衣という人(いのちの車窓から)」です。 

もちろん芸能人とはいえ個人的なものであるべきだし、人と人との関係を消費したくない気持ちもあるのだけど、表舞台に立つひとを見る上である程度の消費とその罪悪感はついて回るものだと思うから引き受ける。どれもたまに思い出してあたたかい気持ちになる。

お嫁においで2015 feat. PUNPEE

お嫁においで2015 feat. PUNPEE

  • PUNPEE
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

横山輝一「Lovin' You」

80〜90年代のヒット曲を調べる機会があったときに母親に教えてもらった。生まれてもない頃なのに懐かしい。

Lovin' You

Lovin' You

  • 横山 輝一
  • J-Pop
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

YUKI「My lovely ghost」

とても好きな「好きってなんだろう...涙」のMVがフルで再公開になっていたのが嬉しくて他のYUKIのMVもみていたら最新の曲がよかった。

My lovely ghost

My lovely ghost

  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

VOLOJZA「I LIKE YOU(feat. KID FRESINO)」

男性ブランコとぼる塾のトークライブ「ピクニック」を観に行く前にスタバで就活の本を読んだ。まあ自己啓発の類の文章で、「わかっていてもできないこと」か「わからないしできないこと」ばかり頭の中に入ってきてもうマジでなんなんだみたいになって店を出て、永田町まで歩く道で聴いた。Twitterで見かけたフレシノのバース「消耗品かも愛は CoCo壱で漫画読みたいわ」を思い出して検索してこの曲か、と再生したのだけど、そこだけでなく歌詞のすべてがそのときの自分にブワッと染み込んで、あ、音楽聴いててたまにやってくる瞬間だ、と思った。肌寒くもカラッと晴れていて、西日の差す歩道でひとり得た感覚、別に誰かに話すようなもんじゃないかもしれないけど私が覚えてあげていなくてどうする、だからここに書く。結局作業しなかったからただ持ってきただけのPCと、分厚い本の入った鞄が軽くなった。「よくなっていく」。

I LIKE YOU (feat. KID FRESINO)

I LIKE YOU (feat. KID FRESINO)

  • VOLOJZA
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

吉田拓郎全部だきしめて

吉田拓郎がライブで歌っている動画を見つけて、キンキとはまた違った味わいで素敵だった。最初の「きみのすべてをぼくの自由にしたくてずっと大切にしていたわけじゃない だからなにも信じられなくなってもぼくを試したりしなくていいんだよ」は一生大切にするんだろうなと思う歌詞たちのひとつ。びっくりするくらい字余りに歌うのがいい。

全部だきしめて

全部だきしめて

  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

スカート「君がいるなら」

ダウ90000の蓮見さんが「ずっと正月」の客入れのプレイリストを公開してくれて、その中にあった。本当にいい曲。泣きたくなる。

君がいるなら

君がいるなら

  • スカート
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

仕事の進捗がまんまメンタルに響いてしまうのなんとかしたい。もっと生活とのメリハリをつけたほうがいいんだろうなと思いつつ、なかなかできない。別に何かを生み出さなくても、作らなくてもよくて、そこで人の価値が決まったりすることはないよっていうのを常に自分に言い聞かせておきたい。他に取り柄がないからそういう事態になっちゃうのだけども。ここで好きなものの話をしているときの朗らかな気持ちがずっと続けばいいのにな。

2/2〜2/8

 

ダウ90000「ずっと正月」2/2

めちゃくちゃ楽しみにしていた本公演。初めて劇場で観ることができた。ダウ90000、自分と同世代でこんなにいろんな人を巻き込んで夢中にさせている集団があるなんて。今私を最も揺さぶってくる存在。日藝も自分にとってそう遠くない場所で、変に親近感とか覚えていたけど、すごい勢いで知名度を上げていく様を目撃し距離感間違えないようにしなきゃなと思う。

「旅館じゃないんだからさ」に続き、今回も最高だった。言葉選びが巧みすぎてずっとおもしろいのはもちろん、結末に希望があるから好き。翔平の立場や気持ち、痛々しいほどわかる...と思いながら観ていたから嬉しかった。舞台づくりにおいては基本なのかもしれないけど、セットや小道具が"機能"以上の"意味"を持つ瞬間に震える。今回はショーウィンドウのガラスがそれだった。ガラス越しに見える景色は、最後に初めて「未来」になっていて、長い冬を抜け春がくる予感がした。

f:id:you__me__hoo:20220207001741j:image

ダウ90000自体にももう未来しかないわけで。観劇前に「ダウ90000の900000000」も何回分か聴き、蓮見さんの団体でやっていくことについての姿勢とかも垣間見えて、今出会えて行く先を追えることにワクワクしている。

蓮見さんといえばこの文章がとても好き。

鋼の錬金術師を読むたびに、ミスチルのBOLEROというアルバムを思い出します。これは自分が初めてハガレンを読んでいた時にこのアルバムを聴いていたからってだけなんですが、記憶の奥の方で結びついていてBrandnew my loverが流れたらエドは炭鉱を救うし、ヒューズがやられたら傘の下の君に告ぐが流れるようにできています。3巻までしか読んでない人いたらほんとにすいません。
そういう各々の中にだけある物の変な結びつきの積み重ねで、相性みたいなものが決まっていくのかなと思いました。これとこれが結びついてた方がいいと思うものが似てる人と喋ってる方が、楽だと思います。キングダム読むたびにKEYTALK思い出す人いたら一緒にお好み焼きでも食べに行きましょう。ダウ90000を見ると頭に浮かぶ曲があったら教えてください。

note.com

 

映画「偶然と想像」

たまらなく良かった。自分が物語の外側にいるってことを忘れる瞬間がたくさんあってとにかく引き込まれる。会話が中心で、シーンも固定が多く、それでいてこの充実感ってすごい。言葉の力を感じた。常に私たちは無限にある選択肢の中からたったの一つを選んで人生を歩んでいるけれど、とっくに忘れ去ったような選択肢の存在をまざまざと見せつけられたというか...それがまさに「偶然と想像」なのだけど。なさそうなのにあった/ありそうなのになかった、っていう点で二つは限りなく近いことに気づき、境界線がぼやけていく。不思議な体験だった。

三編全部素晴らしくて、これからも何度も思い出してはにやにやしてしまう気がする。濱口竜介監督の他の作品への興味が一気に増した。「ハッピーアワー」を映画館で観たい。

 

TravisJapan+高橋海人 「SHAKE/SMAP

久々にダンプラを見てカーッて体温が上がってく感覚になった。キンプリでダンスはたかいとが一番好みという自覚はあったけど本人による振付なのもあってとくべつ輝いてる。トラジャがこんな意欲的なチャンネルを持ってるのも知らなかった。ジャニーズのYouTube進出と、自分がゆるやかにジャニーズを見なくなっていったタイミングが同じだったために見逃してきた素晴らしい動画がたくさんあるのでは!?と思い、ちょっとこれから見漁ります。SnowManは「Crazy F-R-E-S-H Beat」良すぎ、で止まってたけど「Infighter」をみて岩本照の振付間違いなさすぎ、になった。あといつの間にかA.B.C-Z「Vanilla」のMVがでてることに驚き、こうなったら「砂のグラス」あるよね!?と確認したら無かった。この曲は「戻すその仕草」の直後に時間差で腕を下ろす振りが狂おしいほど好き。えびの四大名曲は「Vanilla」「砂のグラス」「ずっとLOVE」「Moonlight Walker」だと思っている。

ジャニーズの話になるとTwitterでよく見る「ここまで一息」のノリを素でやってしまうね...色々あったし戻ってこない気持ちもあるけど間違いなくここで育った、大切な場所だな、の気持ちに落ち着く。わがままなのは承知の上で。「実家」感。

youtu.be

youtu.be

 

男性ブランココントライブ「ヘッジホッグホッジグッヘ」

おもしろかった〜。中でも「ストーリーテラー」が魅力的だった。「ボトルメール」とかDenki-Ifuku-Yeyeの「コントをつくろう」とかに並ぶメタっぽいコントで好き。あと完全に余談だし直近に観た影響だけど、セリフに「偶然と想像」を感じた(それでいうと「ボトルメール」は「魔法(よりもっと不確か)」だ)。最後の「親子」も優しさがこぼれていてよかった。よい雰囲気にさせて最後の最後になぎ倒す終わらせ方クセになる。

とにかく今年のKOCまでは男性ブランコを追うぞ!と心に決めたので来月のコントライブも楽しみ。

よしもと劇場プレミアムで過去のコントライブ「またとない学校」「おだやかな距離」もみた。一年前の「栗鼠のセンチメンタル」公演後に平井さんがnoteで「光明は得ました」と書いてるのを読んだり、当時の周りの芸人からの評価も知ったりして、2020年の怒涛のコントライブ、単独開催と着実に鍛錬を積んだ経験があって今があるのだと感じられた。

平井さんのnoteには約四年前に

僕は、僕らを応援してくださっているお客さんをすごく誇りに思います。僕の自慢です。そして、よかったらこれからも僕の自慢でいてください。末長く応援お願いいたします

と書かれていて、表現をする立場からこうやって言い切れることの重みが身に染みた。

note.com

明日は男ブラ×ぼる塾の「ピクニック」を観に行く。

 

 

1/29〜2/3

映画「ユンヒへ」

すごく良かった...。何度もポロポロ泣いた。人が勧めているのをみて何かに興味を持つことも好きだけど、自分の嗅覚で気になったものがちゃんと素敵だったときのよろこび。

秘密は秘密のままに。あのシーンが一番印象的だった。そうするしかなかった、というより「ただ」そうしてきたのだ、とでもいうように淡々とした事実として語られると、何も言えなくなる。凄まじいセリフだった。

寂しさや切なさを感じた瞬間もあったものの、なにより"あたたかさ"を感じたのは何故だろうと考えていた。きっとそれはユンヒとジュンが確かにあれからの20年を歩んだ、道のりそのものの温度なのだ。受け入れるとか、乗り越えるとかいう言葉を私の立場からあてがうのは少し違うと思っていて、言うならば、持った命を、心を、運んできた。そして、ひとときも忘れたことはなかった。そういうことだと感じた。これからも2人はそれぞれに、降り積もったばかりの雪に最初の一歩を踏み出す。足跡の残る場所は少しずつ、だが確実に溶けてゆく。

この動画がきっかけで映画に興味を持ったのだけど、sesoneon「winter」もより一層大切な音楽になった。

youtu.be

Winter

Winter

  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

スペース「ウチらのサイゼ会」1/29

苔さんがほぼ毎週土曜の夜に開催しているスペース。この日はスヌドさんとの雑談回。このスペースが始まってから、私は自分でも気がつかないところですごくこの場所に支えてもらっているのだと思う。

苔さんは開始早々荷造りをしていて、時々ガサガサ!って音が入るのだけど、それに対して、暮らしてるからさ!みんなも各々暮らしながら聴いてよ!としょっぱなからパワーワードが飛び出す。そういう自由さが好きだし、こういうのが往々にして日常に足りないのだと気づかされる。

サイゼ会に集まったみんながそれぞれの恋愛に対するモヤモヤや、セクシュアリティに関する悩みなどを持ち寄り、みんなで考える。苔さんの知識量の多さと言語化能力の高さには毎度驚かされるし、苔さん自身もたくさん悩み、内省を繰り返しながら話をしている、その姿自体に励まされる。簡単には解決しないようなことばかりだけど、同じように自分自身のあり方に戸惑っているひとがいるんだと思え、それだけで安心する。SNSなんて無ければ、とか考えることもあるけど、たまにこういう場所に出会えるからよかった。ドリンクバーだけで延々いられる、毎週通います!という感じ。

来週はその名も「暮らし回」ということで今から楽しみ。”同居人が、自分が歯磨きしながら話す言葉を聞き取ってくれるようになった”なんていう、見ず知らずの人のそんな話まで聞けてしまうの、あまりに嬉しすぎる。

kokeのブログ「同性ふたり暮らし宣言」

上のふた項目のことについて書いたのが1/31で、今この文章は苔さんのはてなブログが投稿された後の2/3に書いている。今読めてよかった。特に「『ふつうの恋愛のあり方』に馴染めない/馴染まない」の項目は本当に大切な話をしていて、私自身無自覚にあった思い込みが正されていく感覚になった。

重要なのは、同性を好きになる指向性を持つということと、恋愛を重要視することは全くの別問題だということである。

 

映画・スペース・ブログ、友人との会話など、これらを通して、”自分が何にもやもやを抱えているのか”を今なら、全てではなくとも少しは文章にできる気がするので書いてみる。

 

私の現在の自認は異性愛者であるが、世の中全体に蔓延る「恋愛至上主義」に馴染めずにいる。今現在恋愛をしていないし、恋愛の優先順位が低い。その立ち位置が社会においては肩身が狭いことも自覚していて、そのことが悔しい。そしてそれと同じように「誰かが誰かを愛する」という極めて個人的でまず誰にも何にも侵されるべきでない大切な感情が、(生きている限り常に)社会と接続している、そのときに形を変えることを強いられる、みたいな状況も解せない。そこからフェミニズムに興味をもったし、知見を増やしていきたいと感じたのだと思う。

私が私の感情に素直でいることに、後めたさを感じていたくない。各々のもつ他者への"情"(愛情、友情、またはそのどれにも属さずまだ名前のついていない情)が、社会によってねじ伏せられたりないことにされてしまうことがどうか少なくなってほしい。

これが今の私の立ち位置かな。うまく言葉にできていないところもあるけれど。

その時々で気になっているトピックについてのいろいろは目に入ってきやすいもので、この辺も読んだ。

gendai.ismedia.jp

bunshun.jp

 

昨日2/2にダウ90000の本公演を見たことも書きたかったけど次のエントリーにする。いろいろなものに触れすぎて感じてしまいすぎているな、ほどほどにしないと。でもこういう感受性や文化に触れていられるエネルギーもいつ失ってしまうかわからないし。できるだけ残していきたい。

1/24〜1/28

 

 

24日、青山ブックセンターに行った。一番好きな本屋さんかもしれない。いつもあまり人がいなくて居心地がいいし、チェックしていた本が次々目に入ってくるから嬉しくなる。気が合う。

行った日もそうで、入ってすぐのところにレーモン・クノーの「文体練習」が置いてあって驚く。現物が置いてあるのは見たことがなかったから、ああもう今買おうと思いたち買った。その勢いで単行本持ってるもんな〜と渋っていた星野源「いのちの車窓から」、若林正恭「ナナメの夕暮れ」文庫版も手に取る。二冊隣り合って平置きされていた。

 

星野源「いのちの車窓から」文庫版

 久々に読み返す。やっぱり「夜明け」の章がとくべつに好き。そして文庫版あとがきに目を通す。「未来はわからない」。景色を新しいものに更新していくこと。年末に観たドラマ「それでも、生きてゆく」のセリフを思い起こす。

逃げたら、悲しみは残る。死んだら、殺したら、悲しみが増える。増やしたくなかったら、悲しいお話の続きを書き足すしかないんだ。

逃げ出したくなる瞬間は幾度となく訪れる。けれど、自らでかき集めた言葉たちが服の裾を掴み引き留めつづけてくれている。これらの言葉が、思いが、いつかは実感に変わるのだろうか。

源さんはここ数年、どんどん解き放たれていっているように見える。それは見えないところで沢山のことを諦めたり、捨てたりして得たものなのかもしれないけれど私にとっては嬉しい。彼の陶酔しない在り方や"普通"を死守せんとする姿に、ずっとあこがれている。

この写真は2017年のカメラロールから。これを撮っていた頃の景色と今、そしてこれからの景色。続ける限り、いやでも変わっていく。

f:id:you__me__hoo:20220124212627j:image

若林正恭「ナナメの夕暮れ」文庫版

これに関しては感想を書くのではなく、下線をひいておきたい言葉があるので、それを引用しておく。

傷と向き合ってきた。それだけが今の俺を支える自信だ。

「だから、自分のことを弱いと思っているかもしれないけど、傷と戦っている強くてタフな人間だと思って欲しい。それは、今の俺にはもうできないことだから」

レーモン・クノー「文体練習」

仲條正義による装丁に惚れ惚れする。翻訳家によるあとがきと並行に読むのが楽しい。

"翻訳"って、どこまでもロマンチックな作業だ。小さい頃読んだ「ハリー・ポッター」には一巻に一枚ハガキが挟まれていた。魔法学校に登場するものや呪文にはたくさんのダジャレや言葉遊びがつまっていて、それを翻訳家がいかに訳したかという裏話が書いてあるもの。それを読むのを毎回楽しみにしていて、当時翻訳家はなんてすごいんだ!と心が躍ったのを覚えている。それから言葉を訳す、ということになんとなく興味がある。 映画「メッセージ」も好きで、とてもワクワクした。

私たちはいつも"翻訳"の作業を欠かさない。他者の気持ちを想像するとき、自分の中にある気持ちでなるべく近しいのはなにかと考えている。私という言語でものごとを変換する(しかない)。その工程で抜け落ちるものや、余計についてきてしまうものがあって、真っ直ぐ伝わることがないという事実が、悲しくて面白くて愛おしいのだと思う。

 

andymori 「兄弟」

菅田将暉ANNで小山田壮平と歌った動画を見つけて知った。小山田壮平の歌声を聴いているとき、草原が風に吹かれて波立つ風景を思い浮かべる。

人とじっくり話すことが好き。書くよりずっといい。もやが晴れていく。全てをわかりあうのは難しいと互いにふまえた上で、私がどうしようもなく私のままでしかいられないのを見守ってくれる人がいること、いつだって忘れないでいたい。そういう気持ちをこの曲に預けながら、帰り道を歩いた。

兄弟

兄弟

  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com