~2/11

1/23でブログを開設してから丸一年でした。去年は四年間の大学生活の中でも一番感情の変化があった年で、私なりにその動きを観察して残しておこうと感覚や記憶に自覚的になるほどに、自分の人生にかける筆圧が強くなっていく感覚があり、この場所はたしかに私を支えていた、大切な場所だった。

最近のよかったもの。一月に行ったライブを中心に。

 

カネコアヤノ武道館

一日目の独奏。この日は「明け方」が染み渡ってしょうがなかった。改めてすごい歌詞だ。続けてきちんと朝が来る(「星占いと朝」)セトリもすごくよかった。「閃きは彼方」の、ベッドの横の灯りくらい小さな光のもとで歌う演出が好き、孤独な部屋とこの会場がつながったみたいな感覚になる。

二日目の合奏。「追憶」で始まるとは思わなくて体が熱くなった。セトリの大きな流れが、昨日から続いてアルバムをゆったりと順に振り返り、次へ進んでいくような構成になっていることに気づき歴史を感じた。だからアンコール前のラストの曲が「わたしたちへ」ではなく「タオルケットは穏やかな」だったことが嬉しかった。

楽しい二日間だったな。カネコアヤノさん、これからも光。

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タオルケットは穏やかな

もう今年はこれだけあればいいかもってくらい大好き。アルバムの順番でずっと聴いてる。「月明かり」から最後の「もしも」までの流れがとても心地よくて、特に「こんな日に限って」はもうすでに自分の中で大切な曲になっている。悲しみを消すための傷が絶えない。

Towelket Ha Odayakana

Towelket Ha Odayakana

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柴田聡子× ayU tokiO

柴田聡子が「夕日」始まりだったのすごくよかった。「ワンコロメーター」はライブにめちゃくちゃ映える。ayU tokiOは「あひる」と「大ばか」の普段聴いてなかった二曲がとてもいいことに気づけた。アンコールでは「恋する団地」を弾き語りバージョンでやってくれた。MCが驚くほど長くて全部で3時間の公演で、その後の予定に支障をきたすというハプニングもあったが総じていいライブだった。

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星野源ReAssembly

ひとりで横アリへ。コロナ禍になってからこの規模の会場に来るのは初めてで、懐かしい空気に嬉しくなる。イベントがあった日は結構気疲れの多い週の金曜で、ウキウキする感覚に身を任せながら、何かを好きっている感覚って最高だ、好きなものを好きでいるだけでも時間が足りないのに嫌いなもののことなど考えていられないなと思った。星野源のことを好きと思っている時間は私を守ってくれる。

着席し、開演前にスクリーンで流れているMV集のCMを見ながら思いを馳せる。会えなかった3年間の自分の思いや、今ここにいる人の思い。何らかの理由でここにいられない人、もしかしたら3年の間にもう二度とここに来られなくなってしまった人だっているかもしれない。時間が経つとは、変わっていくとはそういうことだ。少し泣きそうになって、いやまだ始まってもないのにと堪える。

初めはライブパート。イエマガ購入者限定の比較的閉ざしたライブのため普段やらない曲をたくさんやってくれた。セトリが私が組んだのかってくらい好きな曲ばかりでびっくりした。以前ブログにも書いたけど、いつかライブで聴きたいと思っていた「ミスユー」が聴けた。私はこの曲が本当に好きだ。*1サビで「海 空 山 川」とただ名詞が続くなかに、各々の記憶にある海や空が浮かび上がる。それは具体的な思い出の地かもしれないし同時に心象でもあると思う。行きたい場所や会いたい人を心に描くこと。開演前に考えていたことと結びつき今彼がこの曲をここで演奏しようと思った感覚に共鳴し、歌が会場を飛び越えて一人一人のもとへと届くさまが見えるような気がした。

そして弾き語りの「日常」。始まった途端に両隣の人も私も泣いてた。好きなものを好きでいることが未来をつくる。紛れもないラブソングだと思った。お守り。

ニセさんのパートもよかった。「夏のクラクション」は確か去年踊り場で流れていて好きになったけど、調べたら同じ時期に星野源ANNでも流れていたらしい。ビデオレターの面々からしても、このイベントは「二面性」みたいなテーマが背後にあった気がする。星野源/ニセ明、ライブパート/トークパート、私が入った日は武嶋さんが演奏者/司会でもあった。この日横アリに来た人は日常/非日常を体感するわけだけど、彼のライブの特徴は非日常でありながら常に日々と地続きであることだと思う。ただ偶然に集まった人々がちょっと一緒に楽しんで、ただ明日からも日常が、そこが地獄であるなら地獄が続いていくだけ。浮かれた感じがしない。二面性を立ち上げつつ、その境界線をかき混ぜて曖昧にしていく。そんな構成だった。

演奏を聴きながら、全ての曲が私にとって大切で、いつの間にこんな救われていたんだなーと改めて思い知った。3年ぶりのオフラインイベント、私を含めそこにいた一人一人がしっかりと思いを持ち寄っていた。とても記憶に残る、特別なライブになった。

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ダンブラ大サーカス@アーツ千代田1131

YouTubeで何度も観ていた会場に行けて不思議な心地だった。整理番号の読み上げ的に多分キャパが60人。当たり前だけどめちゃくちゃ近かった。男性ブランコのコントの中でも好きな一つ、「消しなさい!」をこの場所で観られたのがとても嬉しかった。

youtu.be

 

 

言いたくても我慢したり、諦めたりした言葉や、言えても届かなかった言葉たちはどこにいくんだろうと考える。私(たち)がいろんな言葉を噛み殺したり、履き違えたりする真横で、全てが口から出て、全てが相手に届いている世界が平行に広がっていて欲しいと願ってしまう。その世界は今この世界よりもっとずっとめちゃくちゃで、私は人を傷つけて傷つきまくって救いようもなくぼろぼろなのだろうがそれでいい。そういう世界が私の知らないどこかで広がってくれてでもいないと、あんまりにもあんまりじゃないですか。わがままで、幼い発想だってことは自分でもよくわかっている。それでもただただ想像している。私の周りをさまよう言葉は今日もそちらの世界に吸い込まれていく。

*1:この曲が収録されているアルバム「YELLOW DANCER」についてる曲解説の、「別れの後には必ず出会いがあり、何かが終った瞬間から何かが必ず始まります。 この世の凶暴なまでのポジティブさにゾクゾクします。」という文章もすごい